清水義範の「苦労判官大変記」を読む。
これは面白い歴史フィクション。笑いあり涙ありで、とてもよくできている。
義経は醜男に生まれたので、本来のポジションにつけない。そこで、剣がそこそこ立つ美男子をスカウトし、彼を義経に仕立て上げ、自分は弁慶と名乗って源氏に合流する。
なにもかもが下品な義経の言動とそれを諭す弁慶とのやりとりがおかしく、笑いがこみ上げる。
ラストで頼朝に追われるところは、ちょっとのどが詰まった。
グルダのピアノでベートーヴェンのピアノ・ソナタ21番「ワルトシュタイン」を聴く。
ブログ仲間のyoshimiさんの記事でこのボックス・セットを知った。バックハウスからカニーノまで10人の名ピアノ弾きのライヴ録音である。録音年代は1953〜1993年とマチマチで、全てイタリアの放送局がプロデュースしたものと思われる。
グルダのベートーヴェンは定評があるし、好きだ。「ワルトシュタイン」に関しても何種類かの録音が存在すると思う。よく取り出すのはアマデオ盤。この演奏はテンポといい、表情の変化といい、それとよく似ている。
なんといっても右手が見事。速いパッセージのところなどは、とれたてのいくつもの真珠がころがるように軽やかに輝いている。めくるめく光を放っている。
ピアノはベーゼンドルファーだろうか。適度に鄙びてもいる。グルダを聴く、これは醍醐味だ。
このCDには、ハイドンの変奏曲とモーツァルトのソナタ、そしてシューベルトの即興曲がカップリングされている。どれも聴きごたえがある。どれかひとつと言われれば、「ワルトシュタイン」かな。
1968年1月19日、ルガーノ、スイス・イタリア語放送オーディトリアムでの録音。
おでんとツイッターやってます!雪の朝。
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