パーヴォ・ヤルヴィの指揮で、ベートーヴェンの交響曲2番を聴く。
ノン・ヴィヴラートによる奏法で、滅法切れ味がいい。対抗配置による効果も大きく、右手からヴァイオリンが顔をのぞかせるところなどハッとするところがある。特に1楽章。
ただ、この演奏でいいのは切れ味に加えて、ニュアンスが豊富だということだろう。
速いところでの弦楽器のうねりは、柔らかな弓のようにしなる。同じパッセージを繰り返しているような場面でも、同じようにはやらない。はっきりと表情を変えて奏している。それがとてもツボにはまっている。
2楽章における、端正な味わいも捨てがたい。
ヤルヴィの指揮によるベートーヴェンを聴くのはこれで3曲目。3番と並んで素晴らしいと思う。
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2007年12月、ベルリン、フンクハウス・ケーペニックでの録音。
PR