ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集 グリュミオー(Vn) ハスキル(Pf)選抜高校野球は、佐賀北高校の優勝、らしい。平日は日中にテレビを観られないので、結果だけを知る。佐賀でも広島でもどちらでも良いが、公立なのでこっそりと佐賀を応援していた。
野球にしろ、他のスポーツにしろ、私立はどこの拠点であろうと、地元住民が少ないので応援する気にはならないのだ。学生野球は特に「地元」という観点で応援することが多いと思う。だから、主に原住民で構成されているであろう公立をひいきにしてしまう。
グリュミオーの弾くヴァイオリンはいつ聴いても良い意味で楽器を感じさせてくれる。
まれに楽器を意識させないような演奏を聴くことがあるが、彼の演奏はまさにヴァイオリンという楽器を上手に弾くという範疇に落ち着いている。上手にというと名人に対して失礼なのかもしれないが、演奏家たるもの、上手に弾くというところの延長にあるべきだと思う。
解釈がどうこういうのも大事だが、まずは上手に弾いてくれること、これが肝要だ。
音程は合っているか、音は掠れていないか、書いてある音符を飛ばしていないか、こういう基本的なところを精神性とかいってないがしろにする演奏家もいるが、そういうのはほんの一部の天才だけに許されるのであり、フツーのヒトはまず基本的なところをクリアーにしてほしい。
グリュミオーは決してフツーの演奏家ではないが、技術をないがしろにしない、音楽に誠実なソリストだと思う。
このべートーヴェンの曲は、激しくなくしっとりとした落ち着きのある音楽で、それがグリュミオーとハスキルには合っているのではないだろうか。
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