シベリウス 交響曲第4番 カラヤン指揮ベルリン・フィル高校野球は、観なければ特に気にならないものである。プロに比べたら、なにしろヘタだし汗臭い。
あんなものに熱中するなんてどうなんだろうと思っていて、ふと1日でも観てしまうと、あとがすごく気になって仕方がない。チームの選手の特徴や傾向がわかるので、それから先にどんな展開になるのかが気になってしまうのだ。
プロと違ってトーナメントの短期決戦なので、特にそう思うのだろう。
週末にまとめて観て、次はどうなるかとワクワクし、また仕事が始まって忘れ、週末にまた観る、そういうことを2回ばかり繰り返して、やがて夏が終わるのだ。
シベリウスは少し苦手な作曲家で、交響曲ではこの4番と7番しか面白く聴けない。まだ修行が足りないのかもしれない。
BGMとして聴いていると、当たり障りなくスウッと通り過ぎてゆくのだが、どこがポイントなのか絞りきれないのだ。
この4番も、昔、カムの来日公演の模様をエアチェックして何度か聴いてまったくわからなかったのだが、最近になってなぜか突然面白くなってきたのだった。
それは、カラヤンのわかりやすさが要因だと思う。
この曲ではチェロを始めとして、コーラングレ、ファゴット、フルートというところのソロが大活躍するが、ことごとくうまい。それぞれの場面を切り取ったら、協奏曲といってもいいくらいに華がある。
カラヤンは、フィルハーモニア時代からシベリウスを取り上げているので、だいぶ長きに渡ってこの作曲家に思い入れがあるに違いない。激情にかられるということはないが、ひとつひとつの音は磨き抜かれていて、文句のつけようがない。
とはいえ、この4番、録音は多いから他にもっと気に入る演奏があるかもしれない。そういう盤に出会うのが楽しみになってくる。
カラヤンの演奏はどんな曲においてもひとつの高い指標になる。技術的にこれを上回る演奏はそうそうないと思うからだ。
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