ミュンシュ指揮ボストン饗/ベルリオーズ「イタリアのハロルド」昨日ほどではないにしろ、今日も残暑が厳しい。
こういうときに、あえて暑苦しい音楽を聴くことで自らの弛んだ精神に活を入れる試み。
ついでに、久しぶりに昼からビール。
ベルリオーズは人柄も作品もたいへん暑苦しい男だが、ミュンシュだって負けてはいない。で、「幻想」よりも暑くなりそうな「ハロルド」を。
プリムローズのヴィオラはのっけから、厚ぼったい響きを満開に聴かせてくれる。ソロの部分は苦みばしった中低音が素晴らしく、暑さにやられた頭を余計しびれさせてくれる。
このヒトは、あまり合奏に合わせようという考えがないのか、ハープとのやり取りのシーンでは、一人でどんどんと先にいってしまい、ハープの高貴な音だけが取り残されている。ただ、このハープの音色がとてもステキで、この部分だけは涼しげな高原のそよ風である。
プリムローズのヴィオラは、ズーカーマンやバシュメットに比べるとだいぶ荒削りの弾きっぷりである。
雑といっても過言ではない箇所もある。ライヴではないかと勘ぐってしまうほど。
そういうやり方(?)が、速いテンポで押しまくるミュンシュに合っているようで、両者とも、あまり細部は気にせずにズンズンと音楽は進んでゆく。
聴いているほうも、なんだかよくわからないうちに、そのノリに巻き込まれる。
演奏は全体的に、後半になるにつれて良くなっていくようである。フィナーレは、意外におとなしい。優等生的といったら、ちょっと語弊があるかもしれないけれど。
案の定、余計暑くなった。
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