ヘンデル「メサイア」 リヒター指揮ロンドン・フィル ジョン・オールディズ合唱団、他今日は焼豚を作った。
相変わらずの手抜きレシピを紹介。
豚のかたまりを醤油、砂糖、塩、みりん(うちでは「みりん風」、この違いは何ぞや)に漬ける。
フライパンで表面を強火で焼く。
180度のオーブンで20分焼く。
漬け汁を煮詰めたタレをかけてビールの共に。
締めのラーメンにおもむろに乗せる。
今回は漬け汁に半日漬けておいたが、一晩くらいやってもよかったかもしれない。オーブンの時間は難しいが、300g程度で20~25分が目安か。
リヒター2度目の「メサイア」は、一言で言ってしまうと剛直で大らか。極太の筆で描いた書を思わせる。
冒頭の「シンフォニー」の緊張感あふれる響きに圧倒され、引き込まれる。切り込みが鋭く、勢いのあるロンドン・フィルの弦が激しく強くきしむ。これから始まる物語は、ただごとならぬことを予感しないではいられない演奏だ。
立て続けにテノールで歌われる2つのアリアはすばらしい。スチュアート・バロウズ。澄んだ声を呼吸たっぷりに歌い上げている。ここまで聴いてしまうと、もう後には引けない。
「メサイア」においては、オケもソロも大事だけれど、合唱がとくに重い役割を担う。ジョン・オールディズ合唱団が期待を裏切らない出来だ。先日に聴いたシカゴ交響合唱団とはまた違う良さがある。
シカゴが緻密さで勝負しているとすれば、こちらは勢い重視だ。メロディーが最もよく流れるであろうテンポを的確に設定して、振り幅広く歌い上げている。「我々に御子が生まれた」の幸福感に満ちた快活さ、文字通り「ワンダフル」である。
バスは、ドナルド・マッキンタイア。彼の歌唱のバランスの良さは、「暗きを歩く人々は」を聴けば如実にわかる。鋼のように強靭な声であり、同時につややかさも兼ね備える。
ソプラノはヘレン・ドナート。レチタティーヴォ「天使が現れ」での、澄み切った可憐な歌声にメロメロである。
コントラルトの最大の見せ場は、「彼は侮られて人に捨てられ」。この演奏では13分弱かけていて、全曲中最も長大な曲である。このゆっくりとした神秘的な曲を、アンナ・レイノルズはじっくりと、噛んで含めるように丁寧に歌い上げている。
歌手は、4人ともオケ、合唱によくなじんでいる。選んだ人のセンスもいいのだろうが、みんな一体となって曲に取り組んでいることがわかる。
リヒターのやり方で特徴的なのは、全体を通して弦が主役として働いていることだ。この曲では木管やトランペット、チェンバロは見逃せない存在であるが、それらはこの演奏ではどちらかといえば脇のほうにいる。つねに、精力的な弦の響きがこの演奏の基調となっていて、雄弁に悲哀を醸し出しているのである。
1939年のC・F・ペータース版を使用。
1972年11月、ロンドンでの録音。
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