ヘンデル ヴァイオリン・ソナタ アンドルー・マンゼ(Vn) リチャード・エガー(Cemb)池澤夏樹の「タマリンドの木」を読む。
直球の恋愛モノ。日本の会社員と、タイの難民キャンプで働く女。女を諦めるか、会社を辞めてタイに行くか、悩む男。
そして結論は、ワタシの予想とは反するものだった。歳を感じたな。
後半の、お互い相手の立場を深く考え抜くくだりが清々しい。忘れ難い一冊になりそう。
ヘンデルの珠玉のソナタ集。これを聴いていたら、通勤電車も愉悦の時になる。
それはちょっと言い過ぎか。
マンゼの、ノン・ヴィブラートによるヴァイオリンは艶やかでふくよかであり、さらに切れ味がよさが光る。
HWV359aはフルートソナタでも知られていて、好きな曲。バルトルド・クイケンの演奏は、心の奥底から絞り上げたような叫びの激しさがあったが、こちらはしっかり理性が行き届いた音楽になっている。抑制された哀しみがにじみ出る。
作品1の12は、勢いの良さに加えて典雅な雰囲気がいい。
ヘンデルのヴァイオリン・ソナタには、スークによる味わい深い名盤がある。この生きのいいマンゼ盤も捨てがたい。曲目の多さではこちらが優る。
1998年11月、カリフォルニア、スカイウォーカー・サウンドでの録音。
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