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レーゼル、ブラームス"ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ"

2016.10.06 - ブラームス

ma


 
レーゼルのピアノで、ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」を聴く(1973年、ドレスデン、ルカ教会での録音)。


ペーター・レーゼルは、現存する最高のピアニストのひとり。それは、昨年に紀尾井ホールで聴いたリサイタルで確信した。
テクニックの冴え、奥行きの深さ、透き通る音色、絶妙なニュアンスのタッチ、において。ほぼ同年代のポリーニやアルゲリッチよりも好み。

この演奏は、彼が20歳代後半のもの。
とても瑞々しいし、切れ味もいい。そのあたりのスタイルは、昨年に聴いたものと変わっていないような気がする。すでに、完成されている感がある。

ブラームスのこの曲は、近代音楽の歴史上に燦然と輝く名曲。話によれば、「ゴルトベルク」と「交響練習曲」と並んで3大変奏曲と云うそうだ。まあ、それらの曲と比べたら、いい勝負か。
この3曲は、「変奏曲」というくくりを超えて、「鍵盤楽器による音楽」のジャンルに於いても、最高峰の位置にいるだろうとは思う。

名曲だから、名演も多い。聴いた限りだと、ナット、ゼルキン、カッチェン、ゲルバー、シフ、ペライア、オピッツが素晴らしい。

レーゼルの演奏は、それらに劣らない、鮮烈なピアノだと感じないわけにいかない。












ma
 
屋根の上のパーティ。








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Comment

若々しいブラームス - yoshimi

こんにちは。
レーゼルのヘンデル変奏曲は、快速テンポでルバートも少なくて淀みがなく、力強く若々しいブラームスですね。
急速系は直線的なところがあるので、技巧の冴えが前面に出ているように感じます。
特に第4変奏は、重い和音の高速移動という力業なので、スムースに弾くのが難しいのですが、レーゼルはテンポが落ちないしバタつかずに切れがいいですね。

今のレーゼルなら、少し落ち着きが出て表現のニュアンスが多い演奏になるように思います。
もうドレスデンでのモーツァルト協奏曲録音プロジェクトは終わったようなので(ピアノソナタも録音するなら、まだまだ続くでしょうが)、ブラームスを再録音して欲しいものです。
2016.10.08 Sat 13:11 URL [ Edit ]

気持のいいブラームスです - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
これもまたすばらしいヘンデル・ヴァリエーションです。
おっしゃるように、快速テンポで直線的、じつに痛快です。それでいて浅くはなく、がっちりとした演奏になっていると思います。
ドレスデンでのモーツァルト協奏曲録音プロジェクト。
そういうものがあるのですね。完熟のモーツァルト、というところでしょうか。
参りました!
2016.10.08 18:10
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