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ホロヴィッツとトスカニーニのブラームス「ピアノ協奏曲第2番」

2008.03.09 - ブラームス


brahms

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ホロヴィッツ(Pf) トスカニーニ指揮NBC饗



冒頭のホルンから、すごく筋肉質である。贅肉がすべてそぎ落とされたようなスリムなスタイルで、色気もそっけもなく、じつにあっけない。
そのあとに入ってくるテーマでの、ヴァイオリンの切り込みの鋭さは、この演奏におけるその後の展開を示唆している。
予想通り、うわついたところのない峻厳なブラームスである。
全体を通して速いテンポが小気味いい。
この演奏では、作曲家がイタリアの風土に感銘を受けて作ったというエピソードをそのまま具現したような、柔らかで暖かいふくらみのあるものも多くて、そちらもいいなあと思いながら、いっぽうでこうした北国を思わせるような厳しい演奏もなかなかいいものだ。

toscanini

ホロヴィッツのピアノは俊敏。こうしたカタイ(?)曲をあまり得意としていないイメージがあるが、トスカニーニの厳格なテンポ設定の枠の中で、弾き崩した遊びを少しだけみせていて、いつもの豪快なパフォーマンスの一端を垣間見ることができる。とはいえ、やはり少々もてあましているようにも聴こえる。
もしかしたら、もっと自由に、派手に立ち回りたくてうずうずしていたのかもしれない。

1940年5月、ニューヨークでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

出ましたね、マエストロ・トスカニーニとホロヴィッツのブラームスの2番のコンチェルト
チャイコフスキーのコンチェルトと並んで、快演の一つでしょうね~。

確かリハーサル(オケストラ)の録音が残っていて、それを聞いたことがあるのですが、実に無駄のないリハで、3楽章の冒頭のあの美しい旋律を何度も弾かせていました。

2番のコンチェルトも、ピアノがもの凄く難しいようなんですよ。ホロヴィッツにとっては難しいと言うことはなかったんでしょうが~。

両者の関係は、厳格な飼い主と子犬のような感じもしますね~。
一期一会の名演でしょうね~
こういう芸当は、最近はあまり聴けないものですよね~。

ミ(`w´)彡 
2008.03.09 Sun 19:57 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

このCD、チャイコフスキーのコンチェルトとカプリングなのですよね。もう言うことありません。
ホロヴィッツとトスカニーニ、お互いの持ち味がよく出ている演奏だと思います。

この演奏のリハーサルが残されているのですか!
それは興味深いですね。
オケがすごいです、この演奏。トスカニーニとしては普通だったのかもしれませんが。

ホロヴィッツが婿養子ということで(それ以上にトスカニーニの威厳がすごかったのでしょうが)、わりとおとなしくしているものの、それぞれテンションが高くて、この曲のすばらしい演奏のひとつと思いました。
2008.03.09 20:41
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