ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ゼルキン(Pf)セル指揮クリーヴランド管弦楽団 テレビをつけると、巨人対横浜戦。私より年上の数少ない投手のひとりである工藤が7回途中まで0点に抑えていたが、ランナーを出して降板。ノーアウトで2人のランナーはけっこうきついと思っていた矢先に、代わったピッチャーが痛打されて逆転、工藤の勝利はなくなった。
別に横浜のファンというわけではないが、工藤は応援している選手なので残念。メジャー・リーグには40歳以上の選手がわりと多いし、日本でもだいぶ増えてきたとはいえ、その中で工藤は希少な存在。まだまだがんばって、300勝を目指してもらいたいと思う。
ブラームスをむしょうに聴きたくなった。さらにゼルキンのピアノもということで、CBSのブラームスを。
録音の硬さはあまり好みではないとはいえ、筋肉質なオーケストラの響きと、ゼルキンの白熱のピアノは聴き応えがある。
私はゼルキンの生演奏を聴くことができなかったが、聴いた人の話によれば、彼はペダルの足音がとても大きかったらしい。ときにはピアノの音よりも足の音のほうが気になったという。
それがどの程度なのかわからないとしても、このCDからは足音なのかどうかは定かではない、最強音を出すときの気合が伝わってくる。ピアノの割れた音というよりは、ペダルを踏む音と鍵盤の音とが混ざり合ったような音が、塊になって耳に飛び込んでくることがある。気合の入ったいい音である。これがクリーヴランドの硬質な音と相俟って、メリハリのついた緊張感のある響きを醸し出している。
これがデッカの音であればさらに素晴らしかっただろうと想像しながら、ワインで本日の締め。
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