ゲルバー/ブラームス「ピアノ・ソナタ第3番」今晩は横浜でホルモン焼き。コプちゃんとかヤマちゃんとか(そんなのないか)内臓はいろいろな種類があって、どれがどの部位だかをわかっていないのだけど、何を注文してもだいたい食べられる。昔はモツ焼きというと、店によってはひどく生臭いものがあったりして食べづらいものもあったけど、最近のものは下処理の技術が進んだせいか、匂いにクセのあるものは少なくなった。
煙もうもうで背広は臭くなるけれど、そんなものはおかまいなしにビールがうまい。
年末のせいか、横浜駅の周辺は大変な人出で、歩くのに疲れたが。
ブラームスのピアノ・ソナタはみんな若書き。この3番は結果的に最後のピアノ・ソナタとなったが、それでもブラームスが20歳の作品。2、4楽章は、もっと前に書かれたものと言われている。
しかし、ここでのブラームスはすごい。冒頭から、血管が切れそうなほどのテンションの高さがあり、それは第1楽章を通して持続する。
これがピアノでよかった。オーケストラの曲であったら、阿鼻叫喚の様相だろう。もっとも、ピアノだからこういう音楽を書いたのだろうけど。
第2楽章は静謐で落ち着いた雰囲気であるが、後半に盛り上がる箇所では、やはり血管がブチ切れる。
それはスケルツォにおいても同様で、まるで冬の北ドイツの地下の居酒屋で大男たちが、寒さの反動で飲み騒いでいるかのようである。
第4楽章の大宴会のあとの静けさを経由して、終楽章は暗がりから一筋見えた光明。寒くて深い夜がようやく明けかけてきたような、酔っ払いの夜明けである。だから少し寂しい。
無理をして楽しがっているような、そんな気配がある。
ゲルバーは血管が切れそうな局面においても、透明でつやのあるピアノを聴かせてくれる。
それは時に重量感に溢れていて、すごい迫力をもって聴き手に迫ってくる。激情的な音楽を、それなりに激しく鳴らせるが、それでなお、冷静な感性でもってみずみずしく若々しい佇まいを感じさせてくれる。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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