橋本治の「蝋燭」を読む。
これは、「夜」という短編集のなかのひとつ。不倫カップルを女性の目線から描いている。男は最後に女から去るが、帰るのは妻のもとではなく「会社」であったことに気付き、男とはそういうものなのかと女は愕然とする。
橋本は「夜」を構想するにあたって「源氏物語」を意識したという。
国文学会の定説では、匂宮と薫の間には同性愛関係があるが、光源氏と頭の中将の間には同性愛関係がない、とされるらしい。橋本はそれを否定し、頭の中将のと光源氏とが同性愛関係になったと仮説を立て、これは肉体関係を伴うものではなく、「一人の女を二人で共有する」ことであるとしている。
恋愛に対する新鮮な目線である。
シャイー指揮ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で、バッハのブランデンブルク協奏曲を聴く。
このディスクは、HMVのレビューでは高い評価を得ているが、どうもしっくりこない。いい演奏だとは思うけれど、新しさが希薄なように感じる。
スタイルはモダン楽器による現代風の弾き方であり、リヒターやカラヤンのものとほぼ同様。「ゲヴァントハウスのオーケストラはこんなに上手かったのか」とは思わされる。ことに1番、2番は絢爛豪華な音のシャワー。ただ、ゲヴァントハウスじゃなければいけないという理由は見つけ難い。
誰かがバッハを演奏すると、いつも新しさを求めるのは私の偏見である。バッハというと、どうもそういう聴き方をしてしまう。グールドやアーノンクールの毒が回ったか。
2007年11月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウスでのライヴ録音。
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