ブリュッヘン(fl.Traverso) レオンハルト(cemb) ビルスマ(vc)昨年に続けてDCプランナー1級試験を受験。昨年はまったく歯が立たず、どうすれば乗り越えられるか、五里霧中であった。
半年近く前から会社で隔週で勉強会をしてくれたこともあって、いまさら問題の意味はようやくわかってきて、過去問はなんとか7割は正答できるようになった。
自分なりにやることはやったと観念して、おそるおそる本番に臨んでみると、いやあ、やっぱり難しかった。
こういう試験は、出題者と受験者とのせめぎあいということをつくづく感じる。このDC試験は大きく4つの分野から出題される。そのなかのひとつ「A分野」では、国民年金と厚生年金を始めとするいわゆる「2階」までの年金がテーマになっている。この分野の範囲は実に膨大であって、本気で難しい問題をひねり出されたらとうていついていけるものではない。だから、出題者の按配がものを言うのだろう。これくらいの問題なら勉強していれば取れるだろうとか、この問題は過去問の応用だから知っていれば解けるだろうとか、そういったさじ加減が難易度のほとんどを決定しているわけだ。
なんだか遊ばれているような気がしないでもないが、そうした采配に対して、どんな問題がくるかを読む駆け引きの妙を楽しむような余裕が必要なのだろう。
合否はともかく、今年は終了。当分勉強はしないのダ。
ブリュッヘンのバッハ。最初の1曲はソロ、あとの曲はレオンハルトの伴奏つき、最後の曲はそれにビルスマの通奏低音が加わる。
華やかなレオンハルトのチェンバロは素晴らしいし、ビルスマのバランス感も絶妙であるが、このCDはブリュッヘンのものだろう。
控えめに言っても、このフルート・トラヴェルソは、鬼気迫るといってもいい演奏じゃないかと思う。特にソロの1曲目はインパクトがある。
なにしろ、フルートのソロなのに音が割れるところがあるのだ。フルートという楽器の性質上、オーケストラはもちろん、ピアノソロと比べても音の数は少ないだろうし、レンジも狭いと思うのだが、強音になるとビリつくのである。ときは70年代、セッション録音。録音の技術的な問題があったのかもしれないが、それよりも、ブリュッヘンの演奏に迫力がありすぎるせいだと推測する。音量そのものの限度も大きなものじゃないのにも関わらず、気合いが尋常ではない。そこに荒れ狂った精神を感じる。
バロック音楽をBGMとして聴こうとする軟弱な姿勢に、喝を入れられる演奏なのだった。
1973-75年、アムステルダムでの録音。
PR