ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団藤沢久美の「投資信託主義」を読む。
著者は起業をするために一千万円を準備することを目標に、入社した新人の頃から月1万円づつ投資信託を続けてきたという。1千万円を貯めることはなかなか容易ではない。このうちどのくらい元本が占めているかが記載しておらず、そこが気になった。
投資信託とは何かを、著者はこう語る。
「時は金なりと言われるが、資産運用の究極のポイントは限られた時間をどう使うかであり、貴重な時間は自分自身の成長のために使い、お金の運用はプロに任せる。時間、労力の使い方としては、それが効率的だと思う」。
今は企業年金までが危うくなっている時代。自分の資産は国や会社まかせにせず自ら形成しなければいけない。
とは思うものの、バブルの頃はともかく今は普通預金の金利は0.04%ぐらいだし株価は低いし、なによりも元手がない状態で、コツコツと投資信託をしたところで、1回余計に呑みに行ったらパァじゃないか、なんて一方で思ってしまうのだなあ。これじゃ、お金は貯まらないね。
バレンボイムの「ハルサイ」は、キレよりもコク重視のまったり演奏だ。
ビールはコクを取りたいが、「ハルサイ」はどちらかと言えばキレのある演奏のほうが好みに合うかもしれない。例えば、ティルソン・トーマス、シャイー、ドラティなんてところを気に入っているが、これらは切れ味のいい演奏の代表格だろう。
バレンボイムは重心を低くして、多層なハーモニーを厚く響かせている。これはこれで一興だ。パリ管の響きが明るいところがいいのだろう。これが重厚なオーケストラだったら、重くなりすぎてしまったかも。
こういうスタイルの演奏に対してないものねだりになってしまうが、パンチをもっと効かせてほしかった。
1986年10月、パリでの録音。
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