勝谷誠彦の「食の極道」を読む。
これは、さぬきうどんが好きすぎて、自らさぬきうどんの店を立ち上げた著者が描いた食エッセイ。
九十九里の鰯、かき揚げ丼、鯖寿司、タコ料理、そしてさぬきうどん、酒。
ある企画は、午後一時から開店する居酒屋で閉店まで飲み続けるというもの。
「厳かに自らに禁じていることに、私は実を委ねていた。昼酒。最近どんどん人間が駄目になっていく原因はここにありと悟ったその日からやめていたのである」・
といいつつ、気持ちよく閉店まで居座る。この店が大阪だったからよかった。もし東京にあったならば「私は、それこそホントに駄目になる」。
しみじみ、わかる。
ラルキブデッリの演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲81番を聴く。
弦楽四重奏という形式を確立したのはハイドンであり、それは1769年のこととされている。作品9の4である。それから30年後、彼の弦楽四重奏曲の最後の2曲は、1799年に作曲された(1803年に書かれたニ短調の曲は未完成)。この時期、モーツアルトは既に死に、ベートーヴェンは中期の精力的な作品を次々と書いていた。いまさらながら、ハイドンの作曲人生がとても長いことを感じないわけにいかない。
あまりハイドンの作品を積極的に聴かないが、この曲は気に入った。実にシンプルであり、清涼感に満ちている。それでいて技巧的な面白さ多彩さもある。とても充実した時間を過ごすことができる。
ラルキブデッリの演奏は素晴らしい。彼らの手によるロマン派の音楽はいくつか聴いてきた。わりとムラがあるように思えた。というよりも、彼らの流儀が曲に合っているものと、そうでないものとがあるように感じる。メンデルスゾーンは素晴らしいが、シューベルトはいまひとつだった。
このハイドンはいい。もちろん、オリジナル楽器によるもの。なんて生き生きとしていることか。メヌエット、及び終楽章の音の輝かしい飛翔は、メンデルスゾーンの八重奏曲のスケルツォを彷彿とさせる。後味も爽やか。
ヴェラ・ベス(ヴァイオリン)
ルシ―・ファン・ダール(ヴァイオリン)
ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)
アンナー・ビルスマ(チェロ)
1996年6月、オランダでの録音。
冷やし中華とツイッター始めました!散歩道。
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