フィルクスニーのピアノとリッジ四重奏団の演奏で、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲op.81を聴きました(1990年3月、ニューヨーク、アメリカン・アカデミー・アンド・インスティチュートでの録音)。
ピアノ五重奏曲の有名どころとしては、シューベルト、シューマン、ブラームス、あるいはショスタコーヴィチなどの名前が挙がるでしょうが、浮き立つようなメロディーを全編に渡って味わえる最右翼として、このドヴォルザークにとどめをさしてもいいかなぁ、と。
1楽章の希望に満ち満ちたチェロの旋律、2楽章は哀愁を帯びたピアノがこよなく素晴らしい。
3楽章は5つの楽器が渾然一体となった祝祭のよう、思わず踊りたくなります。4楽章もトーンが明るく、春の風のようにスポーティ。ひとときの幸福を感じないではいられません。
フィルクスニーのピアノは相変わらずひとつひとつの音がぷっくりと粒立っていて軽やか。リッジの腕も確かで、終始おおらかに気持ちよく鳴り響いています。
名曲の名演奏と言えるでしょう。
クリスタ・ベニオン・フェーネイ(Vn)
ロベルト・ラインハルト(Vn)
マリア・ランブロス・カネン(Va)
ペーター・ウィリッヒ(Vc)
パースのビッグムーン。
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