「チェコ」と「スロヴァキア」との関係が、まえから気になっていた。
この際なので、ほんのちょっぴり調べてみた。
これは現在の地図。
5~6世紀に「民族大移動」により、現在のチェコの地にスラブ人が定住。これが現チェコ人の祖となる。
9世紀にはポーランド、スロヴァキアを含む大モラヴィア帝国が成立し、10世紀にプシェミスル家がチェコを統治し、ボヘミア公国(後に王国)が成立。
…。
このあたり大学入試に出てくる世界史みたいなので、ちょっと飛ばす。
16世紀にハプスブルグ家がこのあたりを統治することになり、それは20世紀の初頭まで続く。
で、「チェコスロヴァキア共和国」が成立したのは、第1次世界大戦にてオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊した1918年のことで、新国家はボヘミアとモラヴィアのほか、スロヴァキアとルテニアも領土とした。
やがてヒトラーが侵攻してきて、ドイツに占領されるのだが、レジスタンスらの抵抗が実り、1945年にチェコスロヴァキアが解放されるが、ソ連との同盟関係が深まり、1948年に共産党によるクーデターが成功し、1党独裁政権となる。
経済の衰退に伴い、自由改革の波が起こるも、この動きを危惧したソ連がチェコスロヴァキアに侵攻・占領。1968年の「プラハの春」事件である。ソ連の懐柔策として、チェコとスロヴァキアそれぞれに社会主義共和国が設立され、連邦制度が認められる、と。
しかしその後、徐々に自由化路線が促進され、1990年の選挙で共産党は惨敗。
そして1993年にチェコとスロヴァキアは連邦を解消、チェコとスロヴァキアの両国に分離・独立。
ボヘミア地方とモラヴィア地方を領土とするチェコ共和国が創立される。
ということである。
ドヴォルザークの出身地はモラヴィアにあたる。
モラヴィアは今のチェコの東部にあたる地域とのこと。
ボヘミアは、今のチェコの西部から中部地方を指すらしい。
チェコ出身の著名な音楽家は、
・ドヴォルザーク…ネラホゼヴェス(モラヴィア)
・ヤナーチェク…ホーホヴァルト(モラヴィア)
・マーラー…カリシュト(ボヘミア)
・スメタナ…リトミシュル(ボヘミア)
・ラファエル・クーベリック…ビホリー(ボヘミア)
といったところ。強打者揃いである。
ちなみに、今のスロヴァキア出身の音楽家にはルチア・ポップ、ドヴォルスキー、フンメルらがいる。
クーベリック/ドヴォルザーク「スラヴ舞曲集」さて、クーベリックの「スラブ舞曲」。
抒情的な曲の多い第2集よりも、いかにも「舞曲」というような、原始的なリズム感が生き生きしている第1集を気に入っている。
バイエルン放送饗のマイルドな響きがいい。各セクションのバランス感覚が絶妙。
目隠しされたらチェコ・フィルが演奏しているんじゃないかと思うくらい、田舎くささというかドヴォルザーク独特の懐かしさを醸し出している。
ドボルザークを聴くと、どうして懐かしさを感じるのだろう。
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