武満徹。
風貌がいい。
この風貌を見て、芸術家以外の職業を想像することは困難である。
髪型がいけていることは言うまでもない。
それは、真似をすることができない高みにそびえたつ。
誰かが彼を「火星人みたい」と評していたが、小柄な体に比して大きな頭に、音楽に対する知恵がつめこまれていたのだろう。
小澤/武満「ノヴェンバー・ステップス」他鶴田錦史(琵琶)横山勝也(尺八)
小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ「ノヴェンバー・ステップス」は、ニューヨーク・フィルの創立125周年記念コンサートのために委嘱され、1967年に小澤指揮ニューヨーク・フィルにより初演された。
武満徹が、『オーケストラに対して、日本の伝統楽器をいかにも自然にブレンドするというようなことが、作曲家のメチエであってはならない。むしろ、琵琶と尺八がさししめす異質の音の領土を、オーケストラに対置することで際立たせるべきなのである』
と自ら言うように、ここでの琵琶と尺八は、浮いている。今聴いても変だし、斬新だ。
これら日本楽器のソロの部分は、彼の「切腹」や「怪談」の延長線上にあり、おどろおどろしくも熱狂的な異次元世界を作り上げている。
小澤の淡白な演奏が、ここでは功を奏している。徹底的に研ぎ澄まされた弦の響きが峻厳である。
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