ドビュッシー 室内楽曲集 ボストン交響楽団室内アンサンブル日垣隆の「ラクをしないと成果は出ない」を読む。
100編のエッセイ風の提言集。主に仕事をするうえでの心構えともいうべきことを書いているのでビジネス書といえるだろう。
100編にはそれぞれ題名がつけられている。
『ゴールを必ずイメージしてから仕事にとりかかる』
『気になったら、まず買う』
『お金で自分の時間は買えない。他人の時間なら買える』
『商売道具への投資はケチらない』
など、処世術に徹した意見が並ぶ。事務的香りが濃厚だ。
題名を眺めるだけで内容がほぼわかってしまうので、本文はいささか冗長と感じるかも。もっとも、それが著者の意図するところかもしれないが。
ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」。今回聴いたのは、ベンノ・ザックスというヒトが1921年に室内楽用に編曲したもの。
編成は、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、サンバル・アンティク、ピアノ、ハルモニウム。
通常のオリジナル版が厚ぼったく聴こえるくらい、この演奏は精妙なもの。
響きはとてもスリムでありながら貧相ではない。淡い色彩感が疲れたからだにしみわたる。鋭角的に響く弦楽器のキザミの強さが立体感を出していて、ピアノとコントラバスの溶け合う微妙な音色がデリカシーたっぷり、夜露のようにキラッと光るサンバル・アンティクは幻想的。
この曲をこれで初めて聴いたならば、こちらがオリジナルだと思うほど、不思議に違和感なく聴くことができた。
数ある「牧神」の演奏の中でもユニークなものだけど。
1977年10月、ボストンでの録音
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