宮崎駿監督の「紅の豚」を観る。
これは、呪いにかかって豚になった賞金稼ぎのオッサンがアメリカ人と決闘する話。
操るのは飛行艇。風と海にあらわれるから、飛行艇乗りはきれいな人間が多い。空と海の映像がことのほか美しい。
豚は、あたかもハードボイルド小説の探偵みたいに、しょっちゅう煙草とワインを飲む。それは舞台が戦前だから、だろう。古き良き時代。なのかな?
豚はふたりの綺麗な女性に思いを馳せられる。ひとりは3回夫に先立たれた未亡人、もうひとりは17歳の少女。モテてうらやましい。
最近ジブリの映画を毎週のように観ている。そのなかでは、この作品が最も気に入った。
男が主人公だから、感情移入しやすかった、ということだろう。
オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、チャイコフスキーの「眠りの森の美女」ハイライトを聴く。
三大バレエの中でなにがもっとも好きか。悩ましい。
「くるみ割り人形」は、構成に隙がないことから完成度は最も高いように思うが、短いので物足りない。
となると、「白鳥の湖」かこの曲ということになる。
録音の数は僅差で前者が多い気がするが、全曲録音となると、あまり違いはないのではないだろうか。
プレヴィン、ランチベリー、ボニング、ゲルギエフ、スラトキンはみっつともやっている。スヴェトラーノフやロジェストヴェンスキーやフェドセーエフはどうだろう。どちらもやっているのではないか(定かでない)。
サヴァリッシュは「白鳥の湖」のみ録音。ドラティは、「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」を録音。あと、片方だけ全曲を入れた指揮者はいるのかな?
そのあたりを考慮すると、商業政策においても、この2曲はほぼ同等の扱いになっていると思われる。ハイライトならば「白鳥の湖」のほうが録音は多いだろうけど。
よって(何がよってなのかわからないが)、2曲の優劣をつけるのは難しい。
オーマンディは、ここでも比較的ゆっくり目のテンポで進める。こちらは音楽だけを聴けばよいのであって、このテンポが踊りやすいかどうかは、気にならない。けれど、ちょっとおせっかいをやいてみる。このテンポで踊りはどうなのだろう。先日に聴いた、新国立劇場バレエの演奏よりもやや遅い感じだ。けれども、振付を変えればこの演奏でも問題なく踊れるのではないだろうか。
むしろ、遅いぶんだけコクというかスケールが増すのじゃないだろうか。
オーマンディが踊りを付随してこの曲を振ったかどうかは知るよしもないが、やったとしたら、それはたいした舞台になるだろう。観てみたかった。
1973年1月、フィラデルフィア、スコティッシュ・ライト・カテドラルでの録音。
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