チャイコフスキー 「白鳥の湖」 アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団ひろさちやの「クヨクヨ気分が晴れる本」を読む。
これは身の上相談の本。ただ、質問者の名前がないし、ごくごく一般的な質問ばかりなので、おそらく編集者が作っているのだろう。
そのなかで、こういう相談がある。
「将来の目標がみつからずやる気が出ません。がんばれない自分がまた苦しくなるんです」。
これに対し、著者はこう答える。
「やる気が出ないなら、そのままでいい。アホながんばりは、やめておきなさい。むしろ、もっとやる気をなくしなさい」。
仏教の教えらしい。やる気がないのはいいとしても、どうやって生活していくのか、そのあたりのまとめがないところが何とも言えない。
このように、ひろさちやっぽい豪快な回答の連続である。
クヨクヨ気分が晴れる本―こころがすっと楽になる9つの扉 (成美文庫)プレヴィンの「白鳥の湖」を聴く。
プレヴィンは、70年代にロンドン交響楽団とチャイコフスキーの三大バレエ全曲の録音を残している。小学生だった私にとって、あこがれのレコードだった。
いまだに全曲が現役で発売されているところをみると、相変わらず評判はいいのだろう。
今回じっくり聴いてみると、ホワッとした音響がメルヘンを醸し出していて、いかにもプレヴィンっぽい。やわらかい録音も効果をあげている。やはり、捨てがたい演奏と言える。
ただ逆に言うと、少し明晰さに欠けるような気もする。各楽器がひとつの塊になっていて、ひとつひとつが聴きとりにくい、オーボエだけはしっかりと目立っている。もっともそういう曲なのだけど。
それにしても、ヴァイオリン・ソロにあえてヘンデルを起用しているのは、いかなる理由なのかな。
イダ・ヘンデル(vnソロ)
ダグラス・カミングス(vcソロ)
1976年5-6月、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音。
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