マゼール指揮イスラエル・フィル/「ペトルーシュカ」ストラヴィンスキーの3大バレエ音楽に親しんだのは、中学の時であったと思う。
順序は「火の鳥」、「ペトルーシュカ」、「春の祭典」で、結果的に作曲順に慣れ親しんでいったことになる。
「ペトルーシュカ」は、実際のバレエをNHKテレビで放送していたのを観たのがきっかけである。
井上道義の指揮で、確かN饗か東京フィルのどちらかの演奏だったはずだ。
音楽そのものは、華やかだけれどなんだか現代音楽風な雰囲気がいまひとつなじめなかったが、劇は印象的だった。
冴えない人形のペトルーシュカが繰り広げる、失恋や敗北、そして死は、子供心に、痛烈な悲劇として胸に残ったものだ。
音楽は当時の私には馴染めなかったと思っていたが、そういった泥臭い筋書きの劇だけでは、それほど印象には残らなかっただろう。
マゼールがイスラエル・フィルを振ったこの演奏は1962年の録音であるから、指揮者が32歳の時の録音。冒頭はややもやっとしているが、その後は絶好調。切れ味良くリズム感が抜群で、それぞれの楽器が良く鳴っていて遠近感があり、細かなテンポの変化も気に入った。
この曲は、ドラティ/デトロイト饗やデュトワ/ロンドン饗でよく聴いていたが、このマゼール盤はいつもどこかにひっかかっていたのであった。
それで今晩改めて聴いてみたら、私にとって腑に落ちる演奏だった。録音も最上級だと思う。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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