レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル林望の「節約の王道」を読む。
なるほどと思うところはないではないが、ピントがはずれたところが多い。
クレジット・カードは1枚に集約させる、というのは、まあ。分散して使うとポイントが貯まりづらいし、例えばJALカードであればマイレージが貯まるといった付加価値がある。
その一方で、車の購入費は年収の一か月分にすべし、なんていうのがある。ワタシを含めた多くの勤め人は中古車しか買えないことになる。年収が仮に一千万あったとしても、新車を買うとしたらかなり制約された中での選択ということになる。さみしい話だ。
また著者は、「自分でコントロールしていくらでも安全に行くことができる」という理由から、移動は常に自家用車と言っている。飛行機はイチかバチかだし、新幹線はウィルスの感染リスクがあるだって。人の集まる場所には行かないのかしら。だいたい、自家用車は自分がいくら気をつけていたとしても、相手が危険運転をしたらどうにもならないよ。
本書を実践できるのは、平均よりも高い収入を得ている自由業のヒトのみ。というわけで全編に渡って偏見が強いので、ワタシには参考にならなかった。
シベリウスの7つの交響曲のなかで、第5はもっとも開放的な音楽なのじゃないかと、この演奏を聴いて思った。このCDでは第4のあとに収録されているので、余計にそう感じるのかもしれない。
フィンランド。北海道よりもかなり北に位置し、国土の一部が北極圏に含まれる国。1年の大部分が厳しい寒さに覆われている。だから、つかの間の夏の季節が訪れたときの喜びはかけがいのないもの。冬の鬱憤を爆発させる。それが、この第5シンフォニー。
そういった曲に対し、バーンスタインの演奏は明るい解放感に満ちている。息の長い旋律がいつ果てるとも知らず滔々と流れるところはシベリウス以外のなにものでもない。天気のよい冬の朝の澄んだ空気のような、カラっと明るい響きは、指揮者の裁量にほかならない。全編がヨロコビに満ちているといってもいいくらい。夢と希望に溢れている。
ところどころに登場する、ちょっとしたニュアンスも味がよい。いい演奏である。
と、いろいろほざきましたが、フィンランド、実は暖流の影響で意外に暖かいらしいです。
1961年3月、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。
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