サン・サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団 荒井玲子の「ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人」を読む。
これは技術的には主にオブジェクト指向の開発に特化して書かれているが、手続き型(COBOLやPL/1など)の技術者にとっても面白い読み物だ。
それはとりわけ、システム開発をオーケストラの演奏に例えているところ。
プロジェクト・マネージャを指揮者とするならば、プロジェクト・リーダーは副指揮者、アーキテクトはさしずめコンサート・マスターとしている。なるほど、その通りかもしれない。
あと、システム開発者のメンタル面の問題で、一番大きなものは「暗黙の期待」としているところも共感できる。これはシステム開発だけに限った事では無くて、また仕事ではなくてもわれわれが日常生活で頻繁に遭遇する問題でもある。人に勝手に期待をして裏切られたと思いこむ。これは生活のなかの大きなストレスのひとつであるに違いない。
マゼールのサン・サーンスを聴く。
第1部を聴いた感じだと、70年代のクリーヴランド時代のようなポキポキ感があって軽快、オーケストラの響きも明るくて、特に金管楽器がカラッとしている。愉快。
ティンパニがドカドカ入ってくる2部からがぜん熱気を帯びてくるが、白眉はやはり後半。ここのオルガンは広がりがあってじつに荘厳。オーケストラの軽みとは対照的に、ずっしりとした厚みがある。この厚みを生かしたラストは迫力満点、生で聴いたら興奮するんだろうなあ。
それにしても、このピッツバーグというオーケストラは、アメリカでいうとボストン交響楽団に似ていると思う。金管楽器はよく鳴るのだけどカラリとしていて、木管と弦楽器がシブめ。合奏としては、重厚なのだけど腰が高いように感じる。なぜだろう。まあとにかく、似ている気がするのだ。
1993年5月、ピッツバーグ、ハインツ・ホール(オルガンは1996年7月、ニューヨーク)での録音。
PR