石原妙子のタイトルロール、中島郁子のアムネリス他で、ヴェルディの「アイーダ」(演奏会形式)公演に行く(2017年3月9日、豊洲シビックセンターホールにて)。
歌手たちは、みんなパワフル。ホールは収容人数300人くらいの大きさなので、隅々まで声が響き渡った。
全体を通してレベルが高いものだったけど、敢えて言うなら、嫉妬と純愛との激しいせめぎ合いであるところの、二幕のアムネリスとアイーダの二重唱がとりわけ素晴らしかった。
アムネリスは、ふくよかで厚みがあり、肉感的。音程もいいけれど、声そのものがセクシー。このアリアの歌い終わりのところでは、体に電流が走った。ジュリエッタ・シミオナートを思わせる名唱。
アイーダは、透き通った直線的な声、そして凛とした気品に溢れていた。かといって線が細いわけではなく、舞台をリードするスケールの大きさもあった。技巧と力はラストまで安定しており、持続するスタミナはたいしたもの。
男声もみんなよかった。のびのびしており、力感に溢れた、非の打ち所がない歌だったように思う。
歌手同士の、音量のバランスも最適であるように感じた。
それからピアノ。アリアの伴奏部分の堅実さ。そして、ソロ部分である「凱旋のパラフレーズ」での確かなテクニック。危なげがなかった。最後まで、張り詰めるような緊張感を保っていた。
このメンバーによる舞台を観てみたい、と思わずにはいられない公演だった。
アイーダ:石原妙子
アムネリス:中島郁子
ラダメス:柾木和敬
アモナズロ: 藪内俊弥
ランフィス:田中大揮
王:狩野賢一
ピアノ:藤原藍子
お話し:山田亜寿香
パースのビッグムーン。
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