ロベルト・フロンターリの題名役、新国立劇場制作によるヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」の公演に足を運びました(2023年11月23日、新国立劇場にて)。
歌手が総じて素晴らしかった。堪能しました。
バリトン、バスの堅牢さ、ソプラノの艶やかさ。そしてガブリエーレ役であるテノールのドラマティックな歌声は公演後、数日を経ても心に残っています。
演出は、今流行り?の抽象的な大道具を軸にしたもの。幕によって少しの変化はあるものの、色は陰鬱。これにより舞台が引き締まったとは思えませんでした。
もうひとつつまらなかったのは、オーケストラ。プロローグのラストは、喜びが爆発するような音楽だと思うのだけど、いたって無表情。あるいは、無味乾燥。目立ったミスはないものの、そんな音楽が終始流れていたように感じました。なので、指揮者の意図が判然としないのです。
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