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アバドのラヴェル「ボレロ」

2007.06.02 - ラヴェル


ravel

ラヴェル 管弦楽曲集 アバド指揮ロンドン交響楽団


ここ数日の関東の天気は、晴れたり雨だったり、ときにはヒョウが降ったりと忙しい。おとといの晩なんかは駅を降りたら大雨で、しかも雷がすごかった。何発か打ち鳴ったうちのひとつは、落ちた瞬間に、マンションと居酒屋雑居ビルの電気が一瞬にして消えるほどの威力があった。駅玄関で雨宿りをしている人たちも後ずさるほどであり、私は腰が抜けそうになった。
それにしても、雷の音というのはいい。怖いけど、いい音だ。腹にずっしりと響いてくる。大太鼓とティンパニと銅鑼を思い切り叩いたよりも迫力がある重低音を、生で、しかもただで楽しむことができる。
ただ、実際に落ちてくるのが玉に瑕だ。一昨日は実際に被害にあった人がいる。雷は、落ちるのはいいけれども、おとなしく避雷針に落ちてほしい。車とかヒトは避けて欲しい。それさえ守ってくれれば、あの重低音、ときどきは聞いてみたいものだ。

勝手にラヴェルの日

アバドのラヴェルはしなやかで爽やか。色でいえば薄い暖色系で、サラッした味わいがある。このボレロもそう。タイムは14'20"で、比較的速いといえる。アバドの時代にいい仕事をしたロンドン交響楽団はここでも絶好調で、特にそれぞれの木管楽器のうまさには、安心して身をゆだねることができる。ハッキリと刻まれた小太鼓の繊細な音もいい。

でもこの演奏、実に不思議なところがある。ラストの数小節で、大勢の叫び声が聴こえるのだ。といってもオカルトではなく、楽団員が興奮のあまりに声を出してしまったものだそうだ。しかしアバドの強い要望により、この録音が採用されることになったという。これは、CDが発売された当初に大きな話題になった。

でも、そんなことがあるのだろうか。ロンドン交響楽団は素人集団ではなく、歴史も長く録音も数え切れないほど経験のある百戦錬磨のオケである。だから、それが特にスタジオ録音でそういうことが起こりえるというのは、ちょっと考えにくいのである。
私が思うに、この話の結論としては、アバドが自分の解釈で、最後の盛り上がりのところで叫ぶように指示した、ということのほうがしっくりくる。そのほうが人間くさいし、微笑ましいではないか。
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