悪性リンパ腫で入院している友人を見舞いに釧路へ。
初日に会ったときは、予想していたよりも悪いようで、落ち込んだ。ただ、3日目になると痛み止めが効いてきたようで、冗談を飛ばすように。
車いすの生活でいいから、退院して元気になってほしい。また一緒に呑みたい。
日曜日に着いたせいか、駅前のビジネス街は閑散としており、まるでゴーストタウンのよう。食事処を求めて30分さまよい歩いた。
グリモーのピアノ、アシュケナージ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番を聴く。
この曲を、ピアノとオーケストラとの両方の目線で知り尽くしている音楽家は、アシュケナージをおいて他にいないだろう。
ピアノではコンドラシンの指揮にプレヴィン、ハイティンクと聴いたし、指揮者としてはティボーデのピアノのサポートをしていた。
ピアノの質が高いことに加え、指揮でも冴えわたっている。
この録音でもそう。痒いところに手が届くというか、もうこれしかない、という強い説得力を持っている。音量もちょうどいい加減。デリケートな箇所はとても優しく、激しいところではパンチの効いた響きを轟かす。1楽章の8:30あたりのホルンの、なんと柔らかいこと。3楽章のラストは一気呵成の猛進。
グリモーのピアノもかなりいい。細かい表情が豊かで、すみずみにまで目が行き届いている。音もしっとりとしていて美しい。とくに弱音の音色がいいようだ。そこには仄かな色気と憂愁とが溶け合っている。
2000年9月、ワトフォード、コロッセウムでの録音。
交差点。
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「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR