ホロヴィッツ/ラフマニノフ「ピアノソナタ第2番」ボージョレ・ヌーヴォー解禁!
普段ワインはよく飲むけれども、当日に買い付けに行くほどのファンでもない。
少しほとぼりが冷めて、価格もちょっとだけ安くなったところで購入する似非ワインファンである。
ヌーヴォーは若い葡萄からとったワインであるので、深さを求めると幾分ものたりないのかも知れないが、フルーティーな香りと味わいが魅力で、私は好きである。
これさえあれば、食べ物なしで1本は開けられるだろう。傍らに音楽があればもうなにもいらない。ボージョレとラフマニノフ? 最高です。ではロシア音楽をつまみにボージョレを。
…といってもないのである。こんなことを書いているとスーパーに行って買いたくなってしまうな。
しじみさんとNiklaus Vogelさんが、今月に実施している「ロシアン・マンスリー」。
ロシア音楽は好きで、毎日聴いたって飽きないと思っていたので、参加したいなーと思いつつ、CD棚を探っていると、これが意外に少ない。ドイツ・オーストリア系がやっぱり圧倒的に多くて、ロシア物はそれにかなり大きく離されて第2位といったところ。チャイコフスキーが大部分を占めていて、あとはストラヴィンスキーとラフマニノフ、ムソルグスキーが続き、グリンカとかスクリャービンは刺身のつま程度。寂しいものがある。確かに、今まで積極的にCDを買うことはなかったかも。
その乏しいライブラリの中から、ラフマニノフのピアノ・ソナタ。
なんともとりとめのない曲といえる。
これはラフマニノフが作曲したという事実よりも、晩年に近いホロヴィッツが弾ききった爽快感とエクスタシーを聴くべき音楽。
これは1980年のRCA録音であるので、ホロヴィッツが77歳のときのライヴ録音である。ホロヴィッツの生年については諸説あるが、1903年というのが有力な説なので、それに従うとそうなる。
演奏は冒頭から、ホロヴィッツの絢爛豪華な音の洪水に目が眩みそうである。
はっきり言って、荒れ狂っている。
77歳の人間が一人でひねり出す芸としては、通常の秤では計測不能なものだろう。
楽章ごとの形式がどうのこうのとか、作曲家がどういう意図で作曲したかという事実よりも、ピアノという楽器で発生できる可能性を、少々下品ではあるけれども、最大限に発揮した曲と演奏なのであった。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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ソナタを聴いた後に、ライナーとのコンチェルトを今、聴いています。このCDは、録音年代がばらばらですね。レコード会社の都合なのでしょうけれど、ホロヴィッツらしくていいです(笑)。
ライナーとのものもいいですね。技術的なうまさではこの頃が絶頂なのかもしれません。オーマンディ盤も捨てがたいですが。
私はスーパーで叩き売っていた「ビストロ」で一杯やっております。