スークのヴァイオリン、コンヴィチュニー指揮チェコ・フィルの演奏で、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴きました(1962年4月、プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホールでの録音)。
この曲を聴くと、同じような繰り返しに退屈するときが少なくありません。オイストラフでも、シュナイダーハンでも、あるいはコーガンであっても。
でもやがて、そういうものなんだ、これは退屈さもひっくるめて味わう曲なんだと思うようになりました。今では、途中うたた寝することがあったり、その豪奢なひとときを楽しんでいます。
さて、これはスークが32,3歳の録音。彼の演奏を70年代以降のものばかり聴いてきたけど、折り目の正しいテンポ感と伸びのある高音は、ここでも堪能することができます。
とりわけ、芳香匂い立つような2楽章と、端正でありつつ躍動感のあるカデンツァは素晴らしい。プシュホダの作であるとのこと、これは初めて聴きました。
コンヴィチュニーの指揮は、足取り軽やか。2楽章におけるファゴットの朴訥な味わいは聴きもの。
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