ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 グルダ(Pf) シュタイン指揮ウイーン・フィル万城目学の「鹿男あをによし」を読む。
あるきっかけで奈良の女子高に赴任した大学院の研究生が、春日大社の鹿に不思議なお使いを命じられる。
それは、京都から「目」を受け取れというもの。これがないと日本は滅亡するとのことで、10月の満月の夜までに手に入れなければならない。
紆余曲折しながら「目」を手に入れる話であるが、笑いありスポ根あり恋ありと盛りだくさんで、一気に読み進むことができた。
すでにテレビドラマ化もされていて、放送していたのは知っていたが一度も観たことはない。
原作を読むと、ドラマのほうもむしょうに観たくなる。特に、女子高生のヒロインがみずみずしく描かれていたので、誰が演じたのか興味深い。
DVDが出たら早速観てみようかと思う。
グルダのコンチェルト。
入手しようとしたが、いつもタイミングが合わなくて、逃していたものを改めて聴いてみる。
2曲聴いたが、4番がとてもすばらしい。
まるでハンマークラヴィーアかジャズピアノのような軽い音色が存在感を放つ。
これが19世紀初頭当時の音だったのかという議論はさておいて、なんとも軽やかに転がる音に引き込まれるのだ。
ひとつひとつの音が粒だっていて、明快でイキがいい。
速い部分のめくるめく明快さとスピード感もいいけど、緩徐楽章のピアニシモの美しいこと。
消え入るかのようにわずかな音に、凄みと気迫が感じ取れる。ピーンと張り詰めた雰囲気に、心地よい緊張感がある。
シュタインが指揮するウイーン・フィルも好調。
メリハリのついた活発な演奏でソロを盛り立てている。
今はなつかしいゾフィエンザールならではの柔らかい音色がおいしい。
1970年、ウイーンでの録音。
PR