ヘンデル 音楽劇「アチ、ガラテアとポリフェーモ」Wikipediaのヘンデルの項を見てみると、別名「音楽の母」とある。
懐かしい。たしか、小学校だったか中学校のときの音楽の教科書に「音楽の母」と書いてあるのを見たことがある。同じ生年のバッハが父なのでヘンデルが母だということなのだろうが、どうしてそのように落ち着いたのだろう。
肖像画でみるヘンデルのカツラの毛が、バッハよりも長いからか。
でも顔そのものは、どちらもそうとうにゴツイものがある。
顔だけで判断してしまうと、母のイメージからは遠い…。
ガラテア:ステファニー・トゥルー(ソプラノ)
アチ:ルチアナ・マンチーニ(メゾ・ソプラノ)
ポリフェーモ:ミッチェル・サンドラー(バス)
コントラスト・アルモニコ
マルコ・ヴィターレ(指揮)
「アチ、ガラテアとポリフェーモ」は、ヘンデルが23歳のときに作曲した、80分程度からなる音楽劇。
登場人物は、羊飼いのアチとその恋人の海の妖精ガラテア、巨人ポリフェーモの3人。
ガラテアの美貌に惹かれ、わがものにしようとしたポリフェーモに対し、果敢に戦いを挑んだアチは、ポリフェーモの投げた岩が命中して死んでしまう。それを嘆いたガラテアが、アチを泉に変えるという話。
オケの編成は、弦楽器にオーボエ、リコーダー、トランペットとハープシコード。
もっと大編成なのじゃないかと思うほど、響きに厚みがあって色彩的だ。
今回、この曲を聴くのは初めてだが、ついでに演奏者も知らない。初めて尽くしであるが、親しみやすいアリアがいくつかあるし、頭から尻尾まで素朴なオーケストレーションの妙を味わうことができる。オケはそれほど卓越した合奏力を誇示するものではなく、速いパッセージのところであいまいになったりするが、それがむしろ朴訥な世界をより濃厚にしているようだ。
朴訥で、なにより涼しげなところがいい。
2007年10月、オランダでの録音。
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