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オーマンディのブラームス「交響曲第2番」

2010.12.18 - ブラームス
   
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ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団


「文藝春秋1月号」を読む。「弔辞」が気になったのだ。1980年代以降に亡くなった46人に対する弔辞のかずかずが特集されている。
とくに泣けたのは、三沢光晴。徳光和夫の弔辞そのものよりも、彼が対戦相手のバックドロップに沈んだことが書かれていて、改めて思い出した。不謹慎かもしれないが、プロレスラーとしてこれ以上ない見事な幕切れだと思う。
それからジャイアンツの木村拓也。この人はグラウンドで倒れたわけで、これも見事な最後。野球人冥利に尽きる死にかたなのじゃないだろうか。原監督の弔辞は彼らしいガッツに溢れたもので、最後の「一緒に戦うぞ、拓也」あたりは意味不明だが、泣ける。
あと高橋和枝。「サザエさん」のカツオ役を長くやっていた方で、1999年に亡くなっている。弔辞を読んだのは波平を演じる永井一郎。「カツオ!親より先に行く奴があるか!」だって(涙)。
タモリが赤塚不二夫に読む弔辞の見事さは、ご存じの通り。


オーマンディのブラームス。以前から気になっていて最近やっと入手。どれも渾身の作品で、なかではこの2番、それから4番が特に優れているように思う。
オーケストラの重層的なハーモニーの濃厚さと、明るい質感とがうまいこと融合したブラームスだ。それは、1楽章の第1主題の歌わせかたに出ている。弦の響きは分厚い反面、ひとつひとつの音をスタッカート気味に鳴らせているから、軽やかな躍動感がある。調性は明るいものの、いかにもブラームスといった風情で重厚長大に鳴らせてしまうと、せっかくの青空が雲に覆われてしまう。ここを、さっぱりと刈り上げたところがいい。よく晴れた冬の朝に、柳瀬川の鉄橋から見ることができる、クッキリとそびえ立つ富士山のごとき雄大さだ(といってもわかりませんよね)。ブラームスの2番はこうでなくては。
なかでも、2楽章は歴史的名演奏といっても言い過ぎではないかもしれない。微妙なニュアンスをつけてしなやかに流れる弦楽器に、ほんのりヴィヴラートをかけたホルンが重なりあい、クラリネットやファゴットが展開してゆくところの妙味。クラシック音楽を聴くひとつの醍醐味がある。

1966年4月6日、フィラデルフィア、タウン・ホールでの録音。
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Comment

無題 - リベラ33

ブラームスはオーマンディにとって特別なレパートリーだったのですが、、特にブラ弐はその生涯で最も多く演奏した作品です。オーマンディというと展覧会の絵とかシェエラザードのような作品で語られることが多いのですが、このような実態とのギャップにオーマンディの世評が反映されているように思います。ブラ弐は76年のライヴがいいのですが、現在入手困難となっています。幸い私が持っておりますのでまた機会がありましたらお聴き頂きたいですね。
2010.12.22 Wed 17:48 [ Edit ]

Re:リベラ33さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

オーマンディのブラームスについては、以前にリベラさんの記事を拝見して、かねてから聴きたいと思っていたのです。叶いました。
オーマンディというと、ワタシはまさに「展覧会の絵」とか「シェエラザード」あるいは「惑星」くらいしか知らなかったクチでありまして、今年に入ってようやく「英雄」を聴いたくらいなものです。でも、あの「英雄」はよかったなあ。
ブラ弐は76年のライヴがいいのですか。今度聴かせてくださいね。
2010.12.22 23:59
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