ドヴォルザーク 交響曲第8番 アンドリュー・デイヴィス指揮フィルハーモニア管池上彰の「見通す力」を読む。
新聞の読み方、スクラップのやり方など、情報収集の技を披露する。特に新味は感じられないが、文章からは池上さんのまじめさがしみじみと伝わってくる。
最終章に自動車産業について書かれているのが興味深い。国内の自動車産業の就業者数は、関連企業も含めると515万人に達しており、それは全就業人口の12.5人に1の割合だという。だから自動車産業の今後は経済に大きな影響があるとする一方で、「日本自動車工業会」のアンケート結果から、若者の自動車離れがあることを指摘。この理由については「日経ビジネスオンライン」の、収入の不安定な若者が増えたことによるもの、との記事を採用している。
メディアからの引用が多く、自身の意見は周到に回避しているあたりは、記者なのだろう。
アンドリュー・デイヴィスによるドヴォルザーク。サイトによれば交響曲全集になっているようだ。LPでは確か日本では発売されなかったと記憶する。
今回聴いたのは7番と8番の2曲。どちらも魅力的な演奏で、特に若々しく筆の勢いがいい8番の演奏を気に入った。
フィルハーモニアにしては、ややささくれだったところがあるものの、一気呵成の勢いが気持ちよい。コロコロしたティンパニの音色や朴訥な感じの木管楽器は味わい深い。それに加えて、キーンとした青空の下の清流を思わせるような、みずみずしいテンボが実に心地よい。
録音はいささかボヤけているが、これはドヴォルザークの忘れ難い演奏になるような気がする。
1979年の録音。
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