忍者ブログ

"世間知ラズ"、ズヴェーデン、"プルチネッラ"

2013.06.22 - ストラヴィンスキー
  
st
 

ストラヴィンスキー「プルチネッラ」 ズヴェーデン指揮 オランダ放送室内フィル



谷川俊太郎の「世間知ラズ」。

詩を書くとはどういうことだろう。本書の帯にはこうある。
「生きることを物語に要約してしまうことに逆らって」。
詩とは生きることを要約することのようでいて、そうではない。
生きている瞬間瞬間の感得をことばにすること。だから、物語ではないのだね。


私はただかっこいい言葉の蝶々を追っかけただけの
世間知らずの子ども
その三つ児の魂は
人を傷つけたことにも気づかぬほど無邪気なまま
百へとむかう

詩は
滑稽だ













ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの指揮でストラヴィンスキーの組曲「プルチネッラ」を聴く。

ズヴェーデンは、19歳にしてコンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターを務めた俊英で、95年に指揮者に転向している。現在はオランダ放送フィル、オランダ放送室内フィル、ダラス交響楽団の音楽監督の任についている。まさに八面六臂の活躍で、このストラヴィンスキーでも冴えた手腕を発揮している。

この「プルチネッラ」は1949年版の組曲であるが、あくまで著作権を保護する目的での改訂であったため、内容の変更はない。オリジナル、というか、作曲者自身がコンサート向けに編曲したものと同様である。

ズヴェーデンの指揮はじつに生き生きとしている。切れば血が出るような、という、まあ月並みだけどこういう表現がぴったりかも。
それになにより、オケが素晴らしい。この室内フィルは、オランダ放送フィルのメンバーで構成されていると思われる。このオーケストラはデ・ワールトのマーラー・シリーズで一躍有名になったと思うが、私はハイティンクの「ファウストの劫罰」を聴いて唸った。ことに管楽器のキレがとてもよく、弦楽器も安定していて、世界の1級クラスにも引けを取らないと感じたものだ。
この演奏でも、あたかも天空を舞うような木管楽器を中心として、質の高い演奏を繰り広げている。

今の気分では、この演奏を「プルチネッラ」の代表盤にあげたい。



2008年8月、ヒルヴェルサム、MCOスタジオでの録音。












PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー