O・ヘンリー(小川高義訳)の「人生ぐるぐる」を読む。
治安判事の事務所に、男女がやってくる。離婚をしたいので調停をしてくれという。規定では、調停料が必要だ。男は、なけなしの5ドルを判事に支払う。女は突然、扶養料が欲しいと言いだす。いくら必要かと訊くと、5ドルもあればいい、と。男はすでにスッカラカンなので、明日までになんとかすると云い、その場はお開きになる。
判事は帰り道、強盗に遭遇する。手持ちの5ドルを差し上げると、ほうほうの体で家路に着く。
翌日。男は5ドルをしっかり握ってやってきた。不審に思った判事の行動は。。
ヘンリーらしい、苦みの効いた笑いのある、ショート・ストーリー。
ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏で、グリーグの「ホルベルク組曲」を聴く(1956年11月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールでの録音)。
ミュンヒンガーによるロマン派音楽の演奏は比較的珍しいのではないかと思う。このCDには、他にドヴォルザーク、スーク、ヴォルフが入っているけれど、録音年代がマチマチだし、収録時間も長いから、LP発売当初はバラだったのではないか。
「ホルベルク組曲」は好きな曲。そう頻繁には聴かないが、たまに耳にすると虜になる。弦楽だけで奏されるメロディーの数々は、いかにも北欧情緒たっぷりで、幻想的。ああ、こういう世界もあるのだなあ(遠い目)。
ミュンヒンガーは、エッジのきいたリードをきかせて、闊達な演奏を繰り広げる。特に「エアー」における哀しみは、風が松の枝を吹き抜けるように鮮烈。
全体を通して、甘さ控えめのビターなグリーグと言える。
屋根の上のパーティ。
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