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"究極の人生論"、ポップ、R・シュトラウス"8つの歌"

2014.02.08 - R・シュトラウス

ma
 



ひろさちやの「究極の人生論」を読む。
彼の本をいままで十数冊読んできたが、本書はもっとも辛口である。
今まで読んだなかの「適当に働きなさい」とか、「引きこもりたければ、引きこもったままでよろしい」といったような、いかにも優しい言葉は心の奥に深く浸透して心地よかった。ここではそうした言葉が実は崖っぷちにさらされた人間への警鐘であることを思い知らされることになる。

例えば、人間が犯したさまざまなミスに対しては、こう言う。
「自分でやったことの責任は、取らなければならない。無知で、衝動的にやってしまった過ちに対して、多くの責任逃れをする。当然の報いをなぜ受けたくないんだろうね。それは欲だよ。欲をかいてはいけない。それが嫌ならば、死ぬしかない」。








ポップのソプラノで、R・シュトラウスの8つの歌を聴く。

この歌曲集は、シュトラウスが18歳から19歳のときに書かれている。作品番号がついた最初の歌曲だとのこと。
彼はこの頃、既にヴァイオリン協奏曲やホルン協奏曲1番を書きあげているから、若いとはいえ一線級の作曲家だった。

ポップは好きな歌手だ。
低中音の豊満さも魅力だが、なんといっても高音を発するときの、ちょっとひきつるような声がなんともセクシーだ。ロミー・シュナイダーを思わせる可憐な容姿も可愛い。


8つの歌 作品10 ギルム詩

献呈
なにも

ダリア
忍耐
もの言わぬものたち
いぬさふらん
万霊節


「献呈」はシュトラウスの歌曲のなかで特に好きな曲。ジェシー・ノーマンが東京でアンコールに歌ったのを聴いてから気に入っている。
ポップの広がりのある安定した声はこの曲を歌うにぴったりで、甘さのなかにキリッとした毅然を感じる。
「なにも」では、軽快なリズムに乗って、きゅううっと高音に伸びる声がいい。これがポップの魅力。
「夜」はしっとり。夜露のよう。
「ダリア」は大人の歌。酸いも甘いも味わった女の独白のよう。
ドイツ語の食感がいい「忍耐」。
キレイな女に説教されているような「もの言わぬものたち」。
落ち着いた佇まいのなかに色気を感じさせる「いぬさふらん」。
悲しみをこめた弱音がことのほか美しい「万霊節」。
どれもが珠玉の歌。

サヴァリッシュのピアノは万全。



1984年9月、ドイツ、クロスラー・セーオンでの録音。








ma
 

恋人。









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