ゴールデン・ウィークの谷間の本日、私は会社を休んでいたのだが、少し用があって出社した。
時間があったので、歩いてすぐそばの国際フォーラムに行ってみた。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの当日券をあわよくば入手しようという魂胆である。
9割がたが売り切れで、特にメジャーな演奏家が登場する催しは全滅であったが、ちょうどいい時間に席が空いている公演があったので、すかさず購入した。
それが「トリオ・ヴァンダラー」。無愛想なフランスのオッサン3人組がドヴォルザークとマルティヌーを演奏した。
会場は、ホール「B5」ガルシア・ロルカ。収容は528人。
会議室を大きくしたようなところで、言ってみれば大大会議室といったところ。なので座席部分は平面で、パイプ椅子に毛のはえたものが整然と並んでいる。
音楽を聴くという非日常の雰囲気からは遠いが、客層は割と年配の方が多く、渋く落ち着いていてじっくりと聴きやすそうな空気であった。
最初はドヴォルザークのピアノ三重奏曲4番「ドゥムキー」。6楽章からなる民族調の強い作品で、チェロの聴きどころが多い音楽だと思う。三人とも技量は充分で、ドヴォルザーク特有の懐かしい旋律の歌わせ方が率直で気持ちのいいものだった。ウクライナ民謡の「ドゥムカ」をベースにした作品だということで、土の香りがおいしかった。
ただ、会場のせいもあって、響きがうまく溶け合っていないところがあり、それが演奏者の集中力にも影響し、ときどき緊張の緩む場面が何度かあったように感じた。
次はマルティヌーのピアノ三重奏曲2番。この曲を初めて聴いたのだが、とても面白かった。
規則的なリズムが連続するところが数箇所あって、そこには人間の本能のどこかをじわじわと刺激して、徐々に興奮をあおるような不思議な感覚があった。ここではヴァイオリンとチェロが柔らかくて精妙な音を紡ぎだしており、さらに後ろで低音を支えるピアノの重厚な響きが厚く、広がりと官能があった。このトリオは、マルティヌーにおいては緊張感を持続して、よりうまい演奏をしてくれたと思う。この曲、また聴きたいと思った。
会場の音響は良くなかった。ただ、こうした室内楽の公演は演奏者との距離感が短いため、同じ空気にいるという意識と臨場感が強く、音楽に迫力がある。
これに味をしめて、帰りに前売券を入手。今度はオーケストラなのだけど、「ビルバオ交響楽団」って、どこのオケなのだろう。PR
無題 - ピースうさぎ
Re:ピースうさぎさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
当日券なんてとれないだろうなあと行ってみたところ、地味な公演はいくつか残っていまして、こっそり購入しました。Bホールは会場にやや難ありと思いますが、音楽が始まってしまえば慣れてきます。
ピースうさぎさんの4日は、コルボのレクイエムがあります。目玉ですねー。
ビルバオはスペインのオケだったのですか。ナクソスにあるなら安心ですね!
2007.05.02 23:31
無題 - 凛虞
Re:凛虞さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
衝動的に行ってしまいました。なんだか賑やかだなと思いつつ、前売り会場をうろついていたら、切符がまだあったのでそそくさと。
古典四重奏団とかプラジャークはどうだったか…チェックしていませんでした! 紗矢香嬢とかベレゾフスキーあたりは全滅です。ただ、いきなり行ってもなにかの切符は入るかもしれませんよ。
来年はシューベルトらしいです。個人的にはすごく楽しみなのです。
2007.05.02 23:43
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