ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、読売日本交響楽団の演奏会に行く(2016年9月24日、東京芸術劇場にて)。
演目はチャイコフスキーの三大バレエのそれぞれ抜粋。
チャイコフスキー・ファンには、たまらん。
「白鳥の湖」:「序奏」、「ワルツ」、「4羽の白鳥の踊り」、「ハンガリーの踊り」、「スペインの踊り」、「フィナーレ」
「眠りの森の美女」:「ワルツ」、「パノラマ」、「アダージョ」
「くるみ割り人形」:第2幕
演奏は、「白鳥の湖」が最も良かったと思う。
全体を通していくぶん遅いテンポ。指揮台を置かずに指揮をするロジェストヴェンスキーは最小の動きでもって、ときには山のような大胆さ、ときには宝石のような繊細さを引き出した。各楽器はあたかもひとつの生命のようにイキイキと鳴るところは気持ちのいいもの。
特に、「フィナーレ」は凄かった。オーボエのソロに弦楽器が合わせるところは、セッション録音でもときおり破綻が見受けられる難所、それを長い指揮棒でもって、キッチリと鮮やかに処理した。
金管楽器とティンパニ、大太鼓と小太鼓が強めだったところは、ロシア流か。
「眠りの森の美女」は、ゆっくりとした曲を選んでおり、このコンサート全体の緩徐楽章のような役割を果たしていたみたい。
「くるみ割り人形」は、第2幕を全曲。テンポが遅かった。まるで、チェリビダッケの晩年のブルックナーのように。
通常であれば40分前後であるこの幕を、約50分かけていた。
細やかなニュアンスづけには唸ったが、いかんせん遅すぎた。
ロジェストヴェンスキーでさえも、85歳ともなるとテンポが遅くなるのか。
でもまあ、いろいろな意味で、感慨深い演奏会だった。なにより、ロジェストヴェンスキーを観られたことは、嬉しかった!
屋根の上のパーティ。
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