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カラヤンのブラームス「悲劇的序曲」

2006.12.09 - ブラームス
カラヤン

カラヤン指揮ウイーン・フィル/ブラームス「悲劇的序曲」


昨夜から夜勤をしていて仕事は午前中に終わったのだが、そのあと遊びに行った。で、今日の夕方に帰途につくために電車に乗ったときのこと。
余裕でつり革に掴まれるくらいの混み具合で、私はドアの脇に立っていた。途中まで本を読んでいたのだが、眠くてたまらず少し目をつむっていたのだけれど、やがて意識を失ってしまった。膝がガクッとなって目をさますたびに、ヒトが減っている。最後に目が覚めたときに最寄駅だったので乗り過ごすことはなかったが、もう座れるくらいに空いていた。
立ったまま寝ている本人はあまり意識しないが、座ってみているヒトのほうがむしろ気にするものだ。
寝ている本人は寝ているから平然としている。立ったまま寝るというのは珍しいことではないと思うが、まともに考えれば異常な行為だろう。よく酔っ払って眠りこけて財布を盗まれるという話を聞くが、座って寝ている以上、そのほうがまともだと思える。
いくら睡眠不足であっても、立ったまま寝るというのは無防備すぎる。フクロウじゃあるまいし。
今までそういうことは何度かあるのだが、これが存外気持ちいいことであるのは、世間とのかかわりを一時忘れられることに加えて、「立っていても寝られる度量があるぞ」という自己満足もあるのだろう。
自分が立っているときに座って寝ているヒトを見ると腹が立つけれど、自分が眠れると快感である。
公衆の目の前で眠るという行為は尋常ではないと思うし、私は普段は緊張もあってあまり寝られない性質なのであるが、たまにする立寝は気持ちのいいものである。


眠いついでに(?)カラヤンの名曲集を聴く。
彼が小曲を振ったものは常に水準以上の出来とされているが、このウイーン・フィルとやったこたまぜCDは、小気味いいほど痛快な1枚。元はばらばらに発売されたものを切り貼り合成したものである。

・J・シュトラウス「こうもり」序曲
・チャイコフスキー「ワルツ」(眠りの森の美女)
・チャイコフスキー「花のワルツ」
・グリーグ「ペール・ギュント」第一組曲
・ブラームス「悲劇的序曲」
・R・シュトラウス「7つのヴェールの踊り」
・R・シュトラウス「ドン・ファン」

選曲に迷いなし。真っ向直球勝負である。
どの曲も演奏、録音共にいいが、どれかひとつといえば今の気分ではブラームスをとりたい。
ウイーン・フィルは重すぎず軽すぎず、適度に緊張感と深みとコクと豊穣さがある。
カラヤンは70年代のベルリンとの同じ曲目であれば、もっと重厚で派手なブラームスを聴かせてくれるが、60年代のウイーンとの演奏では、自動車のハンドルの遊びのような、余裕というか良い意味でスキを感じる。



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