ジュリーニ指揮コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ドビュッシーの「海」を聴く(1994年2月、アムステルダム、コンセルトヘボウでの録音)。
知る限り、ジュリーニはこの曲をセッションでは3回録音しており、これは最後のもの。彼が得意としていたのだろう。前の2回はそれぞれフィルハーモニア管弦楽団とロサンゼルス・フィルを振っている。前者はまだ聴いていないが、後者はさんざん聴いた。オーケストラの先入観もあるのだけれど、いかにもカラッとしたカリフォルニアの海を想起させるものだ(実際に見たことはないが。。)。
さてこの演奏は、オーケストラが重厚であるだけに、ロス・フィルとのものとは異なるのではないかと思ったが、音色の違いこそあれ、曲に対するアプローチはほぼ同様だ。
テンポは心持ち遅め。弦楽器によるメロディーがこよなく美しい。ガラス細工のような繊細な音に対しさらに丁寧に磨きがかかっていて、うっとりする。
ブラスとティンパニはロス・フィルよりも重い。そして色彩は、華やかというよりはセピア色。となるとこれは、北欧あたりの曇天の海なのであろうか(同じく、実際に見ていない。。)。
フィルハーモニア管弦楽団の演奏は果たしてイングランドの海なのか、いつか聴いてみないと。
パースのビッグムーン。
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