カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、チャイコフスキーの交響曲5番を聴きました(1952年、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音【擬似ステレオ】)。
友人から、今度はチャイコフスキーのレコードを何枚かいただいたので、取り上げていきます。
これはとても覇気に満ちたチャイコフスキー。弦楽器の切り込みは鋭く、管楽器はエッジのように、キラリと光るよう。その一方で、フレージングというのだろうか、歌わせかたは呼吸が深いから、音楽に奥行きを感じないわけにいきません。
この演奏は、くだんの2楽章でデニス・ブレインがホルンを担当していると伝え聞きます。ライナー・ノートには慣例通り明記されていないけど、彼なのでしょう。
ヴィブラートを多用しない吹きかたのようで、まろやかで柔らかい響きが心地よい。ところどころでハッとさせられるインスピレーションのようなものを感じます。
ただむしろ、この楽章もそうだけど、オーボエの硬質な音色が全曲を通して際立っており、存在感があります。
この曲におけるカラヤンの演奏は、ベルリン・フィルとのものをいくつか聴きましたが、響きが明るいという点で、このフィルハーモニア盤がもっともしっくりきます。
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