シューマン ピアノ協奏曲 アシュケナージ(Pf) セガル指揮ロンドン交響楽団ウルトラセブンの最終話に、シューマンのピアノ協奏曲が使われたことは有名だ。
2週に渡って放映された「史上最大の侵略」の後編であり、ダンがアンヌに自分がウルトラセブンであることを告白する場面で登場する。
今日、たまたま衛星テレビで放送されていたので再び観てみた。
告白する場面での1楽章の冒頭から、満身創痍のセブンがパンドンと戦うシーンで1楽章が断片的に流れ続け、最後にアイスラッガーでパンドンを倒すときに、1楽章が終わるという凝りようだ。
この最終回の監督は実相寺ではないけれど、この回を含めてセブンのシリーズは総じて大人が観るに耐えるような多様な作り方をしていて、宇宙人をやっつけるエクスタシーだけでなく、様々なことを考えさせられる。
アシュケナージのピアノはいつも通り透明で粒の立った音色だ。
この音色だけでも聴く価値がある。シューマンのしっとりとした情感を自然にあらわしていて、淀みがない。
セガルが指揮する端正でみずみずしいオケがアシュケナージの音色に実によく合う。スケールの大きさはないけれど、両者ともはじけるような張りに満ちた演奏だ。
さほど評判のよい録音ではないけれど、この曲の捨てがたい演奏のひとつだと思う。
1977年6月、ロンドンでの録音。
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