ヤノフスキ指揮NHK交響楽団・他の演奏で、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」公演に足を運びました(2024年3月30日、東京文化会館大ホールにて)。
3/27の初日の評判は上々だったので、期待は高まりましたが、聴き終えてみると、物足りない印象を持ちました。
この曲のCDは十数種類聴いているし、実演はこれが3回目でしたが、今まででもっとも長く感じたし、2幕は退屈ですらあった。
歌手はクルヴェナールを気に入りました。キリッとした美声は適度なヴィブラートを纏っており、素敵な歌唱でした。
マルケ王も貫禄があってよかったと思う。イゾルデ、トリスタン、ブランゲーネは声とフレージングのセンスはよかったと思うけれど、どういうわけか琴線に触れる歌唱ではなかった。どうしてそうなったのかよくわからない。考えられるのは、演奏会形式で演技がないからという要因、そして自分の感受性の衰え。。
オケは第一ヴァイオリンを6プルトと厚くしたけれど、いかんせん弦楽器の音色が硬い。管楽器とティンパニは素晴らしかったけど。
ヤノフスキの指揮は堅実だと感じましたが、2幕のイゾルデとトリスタンとの再会のシーンでは、もっと劇的であってほしかった。なんてことを言うのは、欲深いことか。
指揮:マレク・ヤノフスキ
トリスタン(テノール):スチュアート・スケルトン
マルケ王(バス):フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ
イゾルデ(ソプラノ):ビルギッテ・クリステンセン
クルヴェナール(バリトン):マルクス・アイヒェ
メロート(バリトン):甲斐栄次郎
ブランゲーネ(メゾ・ソプラノ):ルクサンドラ・ドノーセ
牧童(テノール):大槻孝志
舵取り(バリトン):高橋洋介
若い水夫の声(テノール):金山京介
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ベンジャミン・ボウマン)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
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