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ミュンシュ指揮ボストン饗/ミヨー、プーランク、ストラヴィンスキーこれは昨年末に買ったCDだが、満を持して取り出してみる。なにが満なのかよくわからないがとにかく聴いてみた。
ミュンシュの1000円シリーズ。一挙に40枚も出てしまったうえ、それも甲乙つけがたく魅力的なラインナップで、選ぶのにかなり悩んだ。悩みすぎて結局買ったのは1枚だけというトホホぶり。
続きはまた今度。次は次でまた悩みそうである。
収録は4曲。ミヨーの「世界の創造」と「プロヴァンス組曲」、プーランクのオルガンと弦楽とティンパニの協奏曲、ストラヴィンスキーの「かるた遊び」である。
このうち「プロヴァンス組曲」は初めて聴いた。いかにも南欧の暖かくて乾いた空気を感じることのできる音楽だ。これを陽の燦燦とあたる浜辺で、ちょっと甘めのカクテルなぞを飲みながら聴けたら至福であろう。
プーランクのティンパニはエバレット・ファース。このヒトで思い出すのが、ブラームスの1番である。
昔のDGの録音だが、小澤とボストン饗のセッションで終楽章のファンファーレで最大量のティンパニを叩いているのに加え、最後の音の20秒くらいまえの箇所で通常登場しないティンパニがバカバカ叩かれているシーンがある。
小澤はベルリンとの来日公演の演奏ではここでティンパニを叩かせていなかったので、あれは指揮者の指定を無視したファースの横暴ではないかと思っている。あのティンパニは頂けない。音が多すぎる。
こういうことがあって、ファースは態度のでかいオヤジというイメージが私にはある。もしかしたら小澤がオケによって変えているということも考えられるのだが、想像にかたくないのは、ファースの我侭のほうなのだ。偏見かもしれないが、彼をどの角度から見ても尊大なオヤジに見える。
どなたかこのあたりの事情をご存知ないか知ら。
それはともかく、「世界の創造」。これは昔バーンスタイン盤で聴いたが、今回初めて聴いたように感じた。聴いたことは覚えているけれども内容を忘れている。このバレエ音楽は序曲と5つの曲から成っていて、冒頭からサキソフォンの憂愁のこもった響きが心地よい。繁華街の裏道にこっそり生息している隠れ家みたいなショット・バーで聴くのが似合いそうな音楽である。
そもそもこの曲は作曲者がジャズのイディオムを取り入れた、黒人が踊るために作った音楽だったということだが、第4部などは実に色濃くジャズっぽい。クラシック音楽の範疇を越えているような気がする。
クラシック音楽の範疇ってどこまでなのだろう、というややこしい問題はあるが、まあそんなことを思うくらいくだけた雰囲気があり、これをミュンシュが演奏しているということは忘却のかなたにすっ飛んでしまう。1923年の作品。PR
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