日比谷みゆき座で、クリス・バック、ジェニファー・リー監督の「アナと雪の女王」を観る。
冒頭の氷の描写が凄い。硬さ、輝き、冷たさ、申し分ない。本物よりもリアルかも。
あと絵では、ふたりの女性の髪の毛がいい。アナは幼少の頃エルザに「頭」の傷をおわされれて、一部分の髪が白い。そしてそれは、大人になってから、また姉に負わされた「心」の傷によって真っ白になってしまう。しかしラストでは、彼女の髪は、ふうわりと健康的な栗色に染まる。
ユーモアあり、恋愛の甘さと苦さあり、冒険あり、笑いあり、さらには全編がミュージカル仕立てになっていて、飽きることはない。
主役の女性ふたりの魅力が爆発。アナが涎を垂らして寝ているところなんか、なんとも可愛い。
それに対し、男性陣は雪だるま以外はいまひとつ。アナとエルザがステキすぎるから。
ムーティの指揮でプッチーニの「トスカ」を聴く。
フィラデルフィア管弦楽団がオペラを演奏するのは珍しい。だから、このディスクを手に取った。
オケは最初からエンジン全開であるが、なにか違和感を感じた。技巧的に非の打ちどころはない。いささか明るいきらいがあるものの。
とすると、曲に問題があるのか?
プッチーニの音楽は、歌を含めると煌びやかで色彩豊かで豪奢であるけれども、よく聴いてみると、オーケストレーションがいささか一本調子なのではあるまいか?
ここぞという場面では、金管を始めとしてたぶん全ての楽器が咆哮しているのだろうが、オケに着目してみると、あまり工夫した様子を感じられない。
ベルリオーズやワーグナー、ヴェルディに比べると、オケそのものの演奏効果は少なく、かなりの比率で音楽を歌の魅力に依存しているようだ。管弦楽が単調なのである。そんなことを思った。
歌手では、ヴァネスがいい。声は妖艶であり、劇的であるし、トスカの役柄に合っている。ただ、カラスとは比べられない。これはまあ、仕方がない。
ジャコミーニもいい。筋肉質で長身の伊達男、といった感じ。
ザンカナロは、あまり悪者っぽくない。これもゴッピと比べてのものだが。
キャロル・ヴァネス(トスカ)
ジュゼッペ・ジャコミーニ(カヴァラドッシ)
ジョルジョ・ザンカナロ(スカルピア)、他
フィラデルフィア少年合唱団
ウエストミンスター・シンフォニック合唱団
1991年3月-4月、1992年1月、フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージックでの録音。
不思議な扉。
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