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フレーニ、カラヤン、"蝶々夫人"

2017.10.06 - プッチーニ

bizet



フレーニのタイトルロール、カラヤン指揮ウイーン・フィルの演奏で、プッチーニの「蝶々夫人」を視聴しました(1974年、ウイーン(音楽)、ベルリン(映像))。

このオペラを全曲通して聴いたのは5,6年前、マゼール盤以来なのだけど、内容をほとんど覚えていない。あまりインパクトがなかったのかな。ただ、このディスクは「ボエーム」で名演奏を残したフレーニとカラヤンのコンビによるプッチーニだから、期待していました。

ピンカートンの声は、若々しい。当時ドミンゴは30代前半。張りがあって、つややか。いかにも上昇志向の軍人といった感じが自然ににじみ出ています。軽薄な演技も、お話に説得力を与えています。
ゴローのセネシャルは、小賢しい雰囲気がぷんぷん匂っていていい。声にも味があります。
フレーニは、相変わらず高音の伸びが素晴らしい。可憐であり清楚、絹の糸のように細やかに、高く飛翔します。「可愛がってくださいね」をはじめ、「さよなら坊や」まで、みんないい。この録音当時、彼女のキャリアにおいて、もっとも声が出ていたのじゃないだろうか。
スズキのルートヴィヒは、呼吸のたっぷりとした深い声がすてきで、情感も貫禄もあります。「桜の枝を揺さぶって」は感動的。
シャープレスのカーンズは重厚であり、正義感にあふれた役をうまくこなしています。

カラヤンのオーケストラは、問答無用にいい。弦楽器の響きの濃厚なコク、軽妙洒脱な木管楽器、厚みのある金管楽器、キラリと光るハープ。このオペラを、黄金色に纏わせています。

ただ、映像はいまひとつ。
通常の舞台ではなく、映画仕様になっています。だから口パクなのだけれど、それ以上にポネルの演出は違和感があります。とくに、素人がメガホンをもったような、大仰なカメラアングルはちょっといただけない。
また音声も、必要ないだろうと思われるところで不自然なエコーがかかっていて、理解に苦しむ箇所(1幕)があります。
演奏がいいので、そのあたりが残念です。


蝶々夫人:ミレッラ・フレーニ
ピンカートン:プラシド・ドミンゴ
スズキ:クリスタ・ルートヴィヒ
シャープレス:ロバート・カーンズ
ゴロー:ミシェル・セネシャル
僧侶:マウリス・リンツラー
ケイト・ピンカートン:エルケ・シャリー
ヤマドリ:ジョルジョ・ステンドロ
ウイーン国立歌劇場合唱団

演出:ジャン=ピエール・ポネル






ma
 
パースのビッグムーン。













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