アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団、他の演奏で、フォーレの「レクィエム」を聴く(1955年、ジュネーブでの録音)。
モーツァルトにしてもブラームスにしても、レクィエムという音楽を、あまり頻繁に聴かない。簡単に立ち入ってはいけないようなオーラを感じる。だから、この曲を聴くのもたぶん10年ないしは20年ぶり。
この度、ときどき寄る新宿三丁目の飲み屋のチーフからCDを焼いてもらったので、せっかくだから聴いてみた次第。
合唱はこの演奏においては主役。とても、峻厳。ヤケクソで歌っているのじゃないかと思う箇所があるくらい、生々しくて野趣がある。日曜日のけだるい昼下がりに聴いて、元気が出る歌である。こんなに生気に満ちたコーラスを、この曲では初めて聴いた。
スゼーとダンコのふたりは、微かに鼻にかかった発音で、透明感のある歌を聴かせる。ラテン語だから鼻にかからなくてもいいわけだけど、おフランスの香りが立ち昇っていて素敵。
1955年の録音だが、ステレオ。歌もオルガンも、ヨーロッパの雰囲気たっぷりに録れているように思う。
シュザンヌ・ダンコ(ソプラノ)
ジェラール・スゼー(バリトン)
トゥール・ド・ペイルス合唱団(合唱指揮:ロベール・メルムー)
パースのビッグムーン。
PR