ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」 マ(Vc) マゼール指揮ベルリン・フィルプロ野球が始まった。
そこで一句。
菜花咲く 岩瀬みられる うれしさよ
失礼しました。
さて、音楽はヨー・ヨー・マとマゼールのドヴォルザークを聴く。マが手掛けた最初の正規録音である。
マゼールの指揮はのっけから気合いじゅうぶん。カラヤン時代のベルリン・フィルのパワーをいかんなく発揮している。いささか肩に力が入っている気がしなくもないが、これはこれで元気があって面白い。
オーケストラのなかでは艶やかなヴァイオリンが印象的。ことに1楽章は素晴らしい。
マのチェロはうまいの一言。たぶん難しいであろうパッセージも、いかにも軽々と弾いてのける。フットワークのよいショート・ストップの華麗な送球を見ているように愉快だ。
この曲の演奏は、どうしてもロストロポーヴィチとジュリーニを基準にしてしまうので、いままで聴いたほかの演奏では、どれもチェロが軽く聴こえる。マのチェロも例外ではない。もちろん悪いことではないが、未だに自分にはほんの少し、座りが悪い。
終楽章のラストでは、ソロの息の長い粘りにズッコケそうになった。演奏者が気を失っているのかと思った。これはおそらくマゼールの意思によるものなのじゃないかな。
1986年1-2月 ベルリンでの録音。
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