サン・サーンス「ピアノ協奏曲4番」 コラール(Pf) プレヴィン指揮ロイヤル・フィル小宮一慶の「読書力養成講座」を読む。
読書の仕方には、いくつかのやり方があるという。それは、速読、通読レベル1、通読レベル2、熟読、重読の5通り。
予め知りたい情報を検索するのが速読、最初から最後まで読むのが通読(1と2はつっこみの深さが違う)、参考文献を併読しながら読むのが熟読、そして何度も繰り返し読むのが重読。これらは、本の種類によって読みわける。
たとえば、会計や経営などの実践的な知識をつけるためには、熟読から通読の流れで読むのが早道であるし、思想書などは重読がよいとうわけだ。
全体的にはビジネス関連の専門書をターゲットにした構成になっているので、それが目的であれば、これはなかなか理に適った本であるように思う。
コラールとプレヴィンによるサン・サーンスのピアノ協奏曲を聴く。
この4番は2楽章形式になっているが、それぞれ急緩にメリハリがあるため、思ったよりもすわりがいい。そのあたり、オルガン付きの交響曲と似ているようだ。
構成の堅固さ以上に魅力的なのは、甘いメロディーとめくるめくような管弦楽、軽やかでスマートなピアノの面白さ。ときにシューマンのような幻想味があったり、ときにメンデルスゾーンの淡いロマンを感じたりしつつ、メロディーが奔放に展開してゆく。
コラールのピアノは適度に艶やかで、官能的。1楽章のアンダンテの後半で、ひらひらとした弦楽にのって奏でられるパッセージなんかは、あたかも冬空の星屑のよう。お尻がちょっと酸っぱくなった。
プレヴィンのオーケストラは、ピアノにバッチリとついていっている。さすがである。ロイヤル・フィルの中性的な音色がピアノを引き立てているし、なにげなく存在感もある。
1985年11月、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオでの録音。
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